~謎かけ歌を題材にしたちょっと不思議な子ども踊り~
原歌詞 :寺山修司
歌詞・踊り監修 : 白石 征
作 曲 : J.A.シーザー
振 付 : 斎藤 千
う た : 長谷川 恵子
演奏時間 :4分18秒
音楽を聴く
◆解説
子ども踊りのうち「セリアイ」以外の2曲は、寺山修司訳の「マザーグース」に取材したもの。盆踊りの未来を考える実験的な創作踊りとなりました。
「誰が殺した、駒鳥を」。すこしショッキングな謎かけから歌が始まります。2番以降、動物達が次々と登場して証言をしていくという歌ですが、真相は”藪の中”。でも、こうした不可思議さや意味不明さは、昔ばなしや伝承わらべ歌の特徴でもあるのです。盆踊りとして踊ってみると、ちょっと不思議な効果をかもしだして、独特の魅力があります。
振りは、鳥の動きを連想するような、表情ゆたかでかわいらしい動きです。
◆歌詞
一、 | だれが殺した 駒鳥を わたしがやったと 雀が言った わたしが弓矢で 殺したの |
二、 | だれが見ていた 駒鳥を わたしが見てたと 野鼠が言った わたしが死ぬのを 見とどけた |
三、 | だれが掘るのさ 墓穴を わたしが掘ると 梟が言った 鋤とシャベルで 穴掘ろう |
四、 | 誰がなるのさ 坊さんに 私なろうと ガチョウが言った お経をもってる 私がなろう |
五、 | 私が運ぶと トンビが言った もしも月夜であったなら |
六、 | 誰が歌うの 声明を 私が歌うと ツグミがいった 自慢の喉で 歌うのさ |
七、 | 誰がつくのか 寺の鐘 私がつくと 雄牛がいった 力自慢のみせどころ |
八、 | あわれあわれな駒鳥のため 鐘がなります 鐘がなりがなる 空の小鳥は ためいきついて 一羽残らず すすり泣く |
(歌詞解説)
・形式は7・5の4句形式。発句の謎かけに次々と応えていく形式は、ある意味盆踊りにおける伝統的な「数え歌」の系譜でもあります。
(1番)寺山訳と双璧をなす谷川俊太郎訳マザーグースでは、「誰が殺した クックロビン」で、奇しくも寺山と同じ7・5調。そして30年前、当時のアニメ「パタリロ」ではこの寺山訳を使ったアニメ主題歌系盆踊り唄「クックロビン音頭」が作られた。なぜか盆踊りと縁の深い歌詞。