大山帰りの
 菅笠かしげ
 あの娘いるかと
 またのぞく

神奈川県の大山は、江戸時代藤沢と関係がふかい場所でした。江戸の人々にもっとも人気のあったレジャーの一つが「大山詣(おおやまもうで) 」です。毎年お盆になると「盆山(ぼんやま)」といって、大山不動尊の信仰サークル「大山講」の人たちを中心にたくさんの人々が大山登山に訪れました。大山の帰りには江ノ島に参詣し、最後に藤沢宿で“精進落とし” 、というのが当時の定番の楽しみだったのです。なじみの茶屋か宿屋の娘の顔を見に立ち寄ったらしい旅人の、落ち着きのない様子がコミカルに歌われています。どうやら大山詣は口実だったみたいですね。

大山道分岐近く浮世絵;東海道七 五十三次 之内藤沢 四ッ谷の立場(蔦屋版)みゆねっと藤沢より許可転載

藤沢周辺には、大山に向かう道端が数々ありました。四ツ谷を起点とする「田村道」や、用田辻で中原街道と接する「柏尾道」(かしおみち)などがにぎわったようです。旧道を歩くと、江戸時代庶民の作った石仏にたくさん出会います。

旧東海道、四谷の信号の少し西側に、旧大山道入口の鳥居がみえます。